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  • 全員が“経営者”。統一された業務フローがない組織を支える経理が選んだ、「アウトソーシング」という選択

    株式会社リバネス

    業種
    知識製造業
    従業員数
    62名

    導入について

    全員が“経営者”。統一された業務フローがない組織を支える経理が選んだ、
    「アウトソーシング」という選択

    リバネス ( https://lne.st/ ) は「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念を掲げ、事業を展開している企業だ。在籍するメンバーは、修士号、博士号を保有。それぞれが専門知識を活かし、世界を変えるために「教育」「人材」「研究」「創業」の4分野に焦点を当てたプロジェクトを推進している。現在では、学校、大学等研究機関、企業、ベンチャー等から約15万人が参加する「知識プラットフォーム」を形成するに至った。

    教育開発事業においては、学校や自治体、企業と協働し、NEST教育の普及に力を入れ、人材開発事業では若手研究者のキャリア開発に取り組む。また、企業の研究開発を支援する事業も展開。新規事業を創出するためにベンチャー、研究機関、大企業をつなぐ役割も担う。

    サイエンス・テクノロジー分野で広範な事業を展開するリバネスの特徴は、メンバーそれぞれが独立し、プロジェクトを推し進めているため、定型化した業務フローを必要最小限に抑えていることだ。営業から経費精算に至るまで、メンバーの裁量で業務が遂行されている。そのため、環境開発室(バックオフィス部門)には柔軟な対応が求められ、負担も大きい。経理部門の担当役員である、同社取締役CFO・池上昌弘氏は「数年前までは混乱を極めていた」と振り返る。

    リバネスの経理チームは、いかにして混乱を乗り越え、数百にものぼるプロジェクトを支えているのだろうか。池上氏に加え、経理を担当する鈴木愛斗氏と津久井雅美氏、お三方にインタビューを行った。

    社員全員が、それぞれのタイミングと方法で経費を申請

    ──まず、御社の経理面の特徴を教えてください。

    池上氏:細かく統一された経費申請などのフローを極力無くしていることが特徴であり、やっかいな点です。私たちの会社は、全員がそれぞれの専門領域を持って、独自にプロジェクトを展開しています。全ての社員が企画の立案から営業、見積もり作業や請求、入金確認まで行っているんです。

    「科学技術の発展と地球貢献を実現する」というゴールに全員で向かっているものの、その向かい方は人それぞれです。ある課題解決のためにクライアントと共に新しい事業を創ろうとする場合、経理的な目線で見ると、提案する企画やその実施期間、仕入れ先や物、タイミングなどが見事にバラバラになります。さまざまな業務プロセスにおいて、1つのフローで全員の動きを揃えることができないんです。

    ──社員のみなさんがそれぞれのやり方でプロジェクトを進めているからこそ、フローを統一できないのですね。なぜそのような方法で事業を運営しているのでしょうか。


    池上 昌弘氏(取締役 CFO:左)、鈴木 愛斗氏(環境開発室:中央)、津久井 雅美氏(環境開発室:右)

    池上氏:ひとり一人が独立し、事業運営ができる人材に育ってほしいと考えているからです。社内には「全員が経営者たれ」というメッセージを発しています。全員が常にひとりの経営者としてプロジェクトを完遂してもらいたいと思っているからこそ、業務上のフローもそれぞれに任せているんです。

    ──経理組織はどのような役割を担っているのですか?

    池上氏:簿記、いわゆる仕訳業務を担っています。その作業には専門性が求められるので、メンバーではなく、経理が担当していますね。

    ──請求フローや経費精算フローが細かく統一されていないとなると、経理組織にかかる負担は大きくなるのではないでしょうか……?

    池上氏:そうですね、年間で数百というプロジェクトが社内で動いているため、どの書類がどのプロジェクトに関するものなのかがとにかく分かりにくかったんです。それ故に、どの経費に対して稟議が下りているかすら判別するのが難しい状態でした。

    ──その状態は改善されたのですか?

    池上氏:はい、プロジェクトごとの請求や稟議の管理のために、salesforceを導入したことで改善しました。salesforce上で請求などの進捗を可視化することができたのですが、今度は別の問題が発生しました。データと紙を対応させることが難しかったんです。salesforce上の数字と、紙の書類上の数字がずれるといった事態が発生するようになりました。

    ──データと現実の書類に乖離が出始めたんですね。そのずれはどのように解消しようとしたのでしょうか。

    池上氏:まずは、人力で解決しようと考え、人を採用したんです。しかし、採っては辞め、採っては辞めと、人が定着しなかった。というのも、先程述べたように弊社の事業運営は独特なので、一般的な経理の仕事よりも遥かにイレギュラーが発生するんです。一般企業の経理業務を想像して入社していただいた方々にとっては、かなり大変な環境だったのだと思います……。

    ──人が定着せず、なかなか改善が進んでいかなかったのですね。次なる一手はどのようなものでしたか?

    池上氏:アウトソーシングしようと考えました。そのアイディアを思いついたときに、真っ先にお願いしようと思ったのが、メリービズさんだったんです。実は、別の会社の仕事をお手伝いしているときに、メリービズさんに少しお世話になったことがあったのですが、私自身が時間的に追い込まれていた中で飛び出したいろんな無茶ぶりやクレームにもとても丁寧に対応していただいたんです。そのことを覚えていたので、アウトソーシングするならばメリービズさんだと思いました。

    書類の確認から、salesforceの入力作業まで──クライアントが使うシステムや業務上の特性に合わせて作業フローを構築

    ──そこからメリービズとのやり取りが始まるのですね。どのようにして業務フローを構築していかれたのでしょうか。

    鈴木氏:まずは、メリービズさんの担当者に課題をお伝えしました。プロジェクトがどんどん増えていくなかで、いかに営業の負担を減らしながら、データと書類上の数字の乖離を減らすか相談したことを覚えています。

    ──どのような作業をメリービズには依頼することになったのですか?

    鈴木氏:社員から提出される請求書や領収書をメリービズさんに送り、メリービズさんの方で確認、salesforceとの照合、登録まで行ってもらっています。以前は私たちがすべての書類を確認し、salesforceの操作までしていたのですが、現在では、メンバーに領収書などに経費ナンバーを書いてもらったものをメリービズさんに送るだけで済んでいるんです。振り込みのデータなどもスプレッドシートにまとめて送ってくださるので、とても助かっていますね。

    ──そのようなフローが構築されるまでにはどれくらいの時間がかかりましたか?


    鈴木氏:1,2ヶ月はかかったのではないでしょうか。その期間は本当にバタバタでしたね……。週に1度は対面で打ち合わせをさせていただきました。salesforceを見ても、多くのプロジェクトが走っていているので、どんなプロジェクトがあるのかすぐには理解できなかったと思います。また、行政とのプロジェクトが増えているのですが、そういったプロジェクトは必ず所定の書類を用意しなければならないなど、かなり細かな部分まで丁寧にキャッチアップしてくださいました。

    ──書類の確認や、salesforceとの照合、データ入力の他に、メリービズにお願いしたことはありますか?

    鈴木氏:マニュアルの作成です。これまで弊社ではマニュアルを作ってこなかった、というよりも、業務フローが統一されていなかったのでマニュアル化を諦めていたのですが、メリービズさんに入ってもらうことで、最低限の共通フローができてマニュアルに落とし込むことができたんです。メリービズさんに入っていただき、私たちがこれまで行っていた作業を細かく洗い出していただいたことで、私たち自身の仕事の整理にもなりましたね。改めて、こんなことをやっていたんだなーと気付きました。

    フロントとバックオフィス、双方の負担が大幅に減少した

    ──メリービズのバーチャル経理アシスタントを導入してから、経理組織にはどのような変化がありましたか?

    津久井氏:まず、オフィスにいないときの仕事がしやすくなったと感じています。私は子どもがいるので一定日数、自宅からオンラインで業務をしているのですが、メリービズさんに入ってもらい業務フローを整えていただいたことで、とても仕事が進めやすくなったと感じています。

    メリービズさんはすべての書類をスキャンし、データ化するところまでやってくださっています。書類をデータ化することが当たり前の業務フローにしてもらったことで、オフィス外からでも経理業務が進めやすくなりました。また、すべての問い合わせにチャットで対応してくださるので、とてもありがたいですね。

    ──その他に変化を感じられていることはありますか?

    津久井氏:本当にやるべき業務に集中できるようになりましたね。池上は経理を管轄していますが、役員でもあるので他に注力すべき業務があったのですが、リソースが足りず経理業務の現場から離れられずにいました。しかし、今ではすべての経理業務が池上の手から離れ、経理メンバーとメリービズさんだけで業務を完結させられています。

    また、未払い経費をしっかりと追えるようになったのも大きな変化ですね。これまでは後手後手の対応になってしまっていたのですが、しっかりと確認のフローができたので、先んじて確認、対応ができるようになりました。

    ──フロントメンバーの負担を軽くしたいと相談をされたとのことでしたが、その部分では効果は現れていますか?

    鈴木氏:はい、効果を実感していますよ。現場のメンバーから「経費精算がかなり楽になった」という声が上がっているくらいです。

    フロントとバックオフィス双方が楽になるという点に、最大のメリットを感じていますね。どちらかが楽になり、どちらかの負担が増えるのでは意味がありません。どちらの作業も楽にしていただいたことに、とても感謝しています。

    ──これからはどのような取り組みをしていきたいですか。

    鈴木氏:紙をなくしていきたいですね。先程も申し上げたように、行政に対しては紙で提出しなければならないものもあるので、完全なペーパーレスにはできないですが、少なくとも社内での書類のやり取りをなくしていきたい。

    メリービズさんに入っていただいてから、弊社の「紙文化」が次第に変化していきました。これからも力を合わせて、関係者全員の生産性を上げる仕組みを構築していきたいですね。

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