経費精算をアウトソーシングするメリットとは?事例や注意点も紹介!

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月末月初に経理部門が繁忙期を迎えるのは、多くの企業で見られる大きな課題です。特に経費の申請は月末月初に偏ることが多く、業務量や確認しなくてはならない項目の煩雑さ、従業員とのやり取りに頭を悩ませている担当者も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、経費精算にまつわる課題を解決するための一つの手として、経費精算のアウトソーシングについて詳しくご紹介します。

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1.経費精算のアウトソーシングとは

経費精算のアウトソーシングとは、経理担当者が行う経費精算書の確認や立替経費の仕訳作業などを外部に委託することです。

経費精算システムなどを導入することで工数削減を図ることもできますが、それだけで完全に経費精算業務がなくなるわけではありません。業務全体をアウトソーシングすれば、担当者の負担軽減や残業代の削減にもつながります。

2.アウトソーシングできる経費精算業務は?

経費精算業務と言っても、基本的な必要項目を精査することに始まり、帳票や仕訳の記入まで、実務は多岐に渡ります。アウトソーシングで代行を依頼できる業務はサービスや企業によって異なりますが、例として以下が挙げられます。

・経費申請内容と領収書の一致確認
・経費申請の一次承認
・申請に不備があった際の差し戻しや確認
・経費の振込送金
・交通費の計算
・請求書発行
・売掛買掛管理
・仕訳データの会計ソフトへの入力

上記の項目に対してアウトソーシングサービスはどのような対応をしているのか、4点に絞って紹介します。

2-1.経費申請の確認・承認業務

申請された経費の各項目が問題ないかを確認します。領収書との突き合せをし、金額の確認、記載内容の不備がないか、規定に則しているかなどを確認し、承認します。

2-2.会計ソフトへの入力業務

承認された経費精算書を元に会計ソフトへの入力作業を行います。

2-3.支払い処理業務

承認された経費精算書を元に、口座送金などの支払処理を行います。社員が立て替えた経費を現金で返金すると、小口現金や小口現金出納帳などの管理に手間がかります。そのため振込送金で対応をするケースが一般的となっています。

2-4.申請者の入力業務代行

例えば営業部の社員が経費精算をする際には営業事務などがそのサポートをすることがありますが、領収書をアウトソーシング先に送ることで、経費精算で必要な入力作業を代行してもらうことができます。

3.経費精算のアウトソーシングがおすすめな理由!4つのメリット

経費精算のアウトソーシングを行うことはどのようなメリットがあるのでしょうか。経費精算のアウトソーシングサービスをお勧めする理由を4点ご紹介します。

3-1.人件費・採用・教育などのコスト削減

経費精算は専門性を必要とする業務が含まれることから、専任スタッフを雇用する必要があります。雇用をアウトソーシングに切り替えることで、採用費用や教育コスト、給与や社会保険料などの人件費を削減することが可能です。

外部委託する際には外注費が発生しますが、決まった業務に対する料金を支払うだけで済むため、総合的にはコストを抑えることができます。また、サービスによっては業務効率化や業務フロー改善などのアドバイスも受けられ、経理全体の業務負担を軽減することも期待できます。

3-2.社内の経理業務の負担を軽減

経費精算を外部に委託することで領収書と申請内容の突き合わせや整合性のチェック、会計データの作成などの業務を社内で対応する必要がなくなります。企業によっては繁忙期である月末月初に経費精算が集中してしまうことも多く、業務過多が発生しやすくなります。経理担当にとって、各種リマインドや問い合わせ対応などは本来時間を多くかけるべき業務でありませんが、繁忙期にはそれらの対応に追われてしまいます。ですが、月次決算を締めるために必要な業務なので、担当者が大きな負担を抱えているケースは少なくありません。

アウトソーシングサービスを活用すれば、経理担当自身のリソースが確保できるほか、負担が軽減されることで心理的な安心感を得られることもできます。精算業務は、単純な業務でありながら、申請者への対応や申請書の整合性確認、領収書の管理や帳簿への記帳など、手間と時間がかかります。これらをまとめてアウトソーシングしてしまえば、時期による業務の増減に対応しやすくなり、社内の負担を軽減することが可能です。

3-3.経理業務のミス防止・品質安定化

経費精算のアウトソーシングを受託している企業は、経理のプロフェッショナル集団です。常に経験豊かな外注先のスタッフが業務を行うため、業務品質を安定させることが可能です。

自社社員に業務を任せる場合には採用コストや教育費、給与やそれに付随する社会保険料なども必要になるうえ、病気や家庭環境などによる退職・休職リスクも生じます。しかしアウトソーシングサービスを利用をすれば仮に担当者が変わったとしても、すぐに後任のスタッフが業務を引き継ぎます。担当者の退職などで業務に穴を開けることもなくなり、一定の業務品質を維持することもできるでしょう。

3-4.属人化による不正を防止

経費精算のリスクとしては、経費の不正使用や横領などが挙げられます。社内で経費処理を行うとブラックボックス化しやすく、細かい経費の不正使用や不自然な領収書に気が付けないケースもあります。経費精算をアウトソースすることで第三者が業務フローに介入し、客観的かつ中立的な判断がされやすくなります。不正計上や横領のリスクを減らすことができれば、健全な企業運営につながります。

4.経費精算をアウトソーシングする際の注意点

ここまで解説した通り、経費精算をアウトソーシングすることには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。サービスを導入する際にはデメリットの把握が重要です。アウトソーシングのデメリットを詳しく見ていきましょう。

4-1.社内にノウハウが蓄積されにくい

アウトソーシングしている業務について理解している人が社内にいないと、その業務プロセスに関するノウハウが蓄積されないリスクがあります。長期的に同じ企業へ業務を委託できる場合は問題がないですが、急なトラブルで社内対応が生じた際や委託先の見直しを検討するときに困ることがあるので、注意が必要です。

一方、アウトソーシングをすることで業務フローを見直すきっかけになるなど、ノウハウが貯まるケースもあります。経理業務のプロから提案を受けた内容を社内の仕組みにしっかりと反映すれば防ぐことができるデメリットと言えるでしょう。

4-2.緊急時の対応にタイムラグがある可能性も

緊急での対応や変更を依頼したい場合、社内で対応していた時には発生しなかったタイムラグが発生する可能性があります。
対策としては、アウトソーサーとの情報共有を徹底し、緊密に連絡を取ることで連携ミスを日頃から防ぐことができます。また、緊急時の混乱を防ぐため、契約前の条件確認や契約後のすり合わせの時点で、トラブル発生時の両社の取り組みについて方針を決めておくことも効果的です。両社が負担なく業務を進められるよう、委託環境を事前に整えておきましょう。

4-3.外注先への指示準備や体制整備まで時間が一定かかる

アウトソーシングへ切り替える際は、外注準備のためのタスクが発生することを念頭に置く必要があります。

現状の業務フローを外部のスタッフが把握できるようマニュアル化したり、具体的な作業内容の指示書を作成したりしなくてはなりません。アウトソーサーによっては、業務のヒアリングからマニュアル化の業務まで巻き取ってくれるところもあるので、選定の際にはぜひ確認してみてください。

また、委託先との連絡窓口や連携などの体制も整えておく必要があります。引き継ぎ体制が十分でなければ、結果的に自社の情報がうまく渡せず、アウトソーシング完了までが長期化することもあります。
曖昧なルールが多いほど棚卸しに時間はかかってしまいますが、外部への委託を機に曖昧だった範囲を規定していくことは、自社にとってもメリットに繋がります。長期的には安定かつ低コストな運用体制が期待できるでしょう。

5.経費精算のアウトソーシングサービスの選び方

経費精算のアウトソーシングを受託する企業は現在多く存在しています。委託を検討する際にどのような企業を選べばよいか、ポイントを把握しましょう。

5-1.委託したい業務が対応範囲かどうか

対応可能な業務の範囲はアウトソーサーによって異なるため、委託したい業務が受託範囲に入っているかは重要な選定ポイントです。例えば、海外営業所と携わる業務がある場合は外国語にも対応したサービスを選ぶなど、委託したい内容を社内で整理したうえで、ニーズを満たしてくれそうなサービスへ問い合わせてみましょう。

中には経理業務のコンサルティングなど付随サービスを提供している場合もあります。経費精算業務だけでなく経理業務全体の効率化を図りたい場合は、合わせて導入を検討してみてください。
こういった特徴をしっかりと比較して、自社の現状や課題に合ったサービスを提供している企業を選ぶことが大切です。

5-2.導入している会計ソフトと連携できるかどうか

現在会計ソフトを導入している、もしくは導入予定がある場合は、アウトソーシングした経費精算データと会計ソフトの連携が可能かどうかをよく確認しておきましょう。現状の会計ソフトとの連携不可能な場合、結局会計ソフトに入力する手間が増えてしまいます。入力代行も請け負っているサービスもありますが、発注コストが余計にかかってしまわないか注意が必要です。

5-3.柔軟な対応が可能かどうか

対応できる内容が厳格にパッケージ化されていると、自社のニーズを満たし切れない可能性もあります。例えば、トラブルが生じた際や疑問がある際に、必要部署に柔軟に確認をとってもらえるかといった点は、日々の業務遂行の中で重要になるでしょう。
また、既存の社内業務フローに業務内容を合わせてもらえたり、逆に対応業務をマニュアル化してもらえるなど、柔軟な対応をしてくれるサービスもあります。詳細まで比較して検討するようにしましょう。

6.「バーチャル経理アシスタント」で経費精算をアウトソーシングして業務効率化した事例

実際に経経費精算をアウトソーシングすることで業務効率化を実現している企業の事例を見ていきましょう。

6-1.株式会社ユーザベース様

不断のコミュニケーションが生んだ「理想の状態」──成長を続けるユーザベースを支える経理組織の事例

本記事でお話を伺ったのは、ソーシャル経済メディア『NewsPicks』や経済情報プラットフォーム『SPEEDA』などを運営するユーザベースだ。同社は2008年の創業以来、破竹の勢いで成長を遂げ、現在はシンガポール、中国、米国にも海外進出し、売上高138億、従業員数611名(いずれも連結、2020年12月当時)を誇るグローバル企業となった。

急成長を遂げてきたユーザベースグループを支えているのが、今回お話を伺ったAccounting & IR Divisionのみなさんだ。ユーザベース本社のみならず、国内外15社のグループ会社の経理業務を担当するAccounting & IR Divisionがメリービズの『バーチャル経理アシスタント』を導入したのは、2020年4月のこと。

「現場で作業を担当するメンバーの負担を軽減するために導入を決めた」と語るのは、Accounting & IR DivisionにおいてBusiness Process Management Team Leaderを務める久保華子氏だ。久保氏に加え、グループ会社の経理業務を担当する金子裕子氏と中島有紀氏をお招きし、『バーチャル経理アシスタント』導入前後の変化をお伺いした。「運用を開始してすぐに全てが順調というわけではなかった」ユーザベースとの取り組みの内情を聞いた。

6-2.株式会社ギオン様

総合物流企業のギオンが挑む、初のアウトソーシング。
──グループ7社の経理体制を再構築しデジタル化を推進。先達のいない道のりを「とにかくスムーズに進められた」理由とは

国内に80以上の拠点と7つの関連会社を保有し、配送サービスなどの総合物流事業を展開するギオングループ(以下、ギオン)。
1965年の創業以来、経理業務を内製しつづけてきた同社が、業務拡大に伴い初めてのアウトソーシング導入を決断したのが2022年。
7つの関連会社の会計業務をわずか5名で担当する経理部が、『バーチャル経理アシスタント』を導入して1年が経過した。社内ではどのような変化があったのだろうか。

株式会社ギオン経理部の課長渡邊さん・係長中里さんにお話を伺った。

6-3.クックパッド株式会社様

「どんなときでも」事業に貢献するコーポレート部門をつくる
──プロセスのアウトソースによってつくり上げた、クックパッドのルーチンワークなき経理組織

74カ国/地域・32言語(2020年3月31日時点)で展開する料理レシピ投稿・検索サービス『クックパッド』や買い物をもっと自由にする生鮮食品EC『クックパッドマート』など、“毎日の料理を楽しみにする”というミッションのもと事業を展開するクックパッド株式会社。同社の財務経理部門は、いかにしてその事業基盤を支えているのだろうか。

今回お話を伺ったのは、同社執行役・CFOの犬飼茂利男氏と、財務部の草埜理恵氏だ。コーポレート部門の理想形を「ルーチンワークを持たず、ひとり一人が自走する組織」と語る犬飼氏。理想を実現するためのひとつの手段として導入したのが、メリービズのバーチャル経理アシスタントだった。

経理業務のプロセス改善を担う草埜氏は、バーチャル経理アシスタント導入によって「経理組織のメンバーだけでなく、事業側のメンバーの作業負荷も大きく軽減することができた」と振り返る。また、COVID-19の影響によるリモートワーク体制下でも、平時と変わらない質と量の業務が行えている理由のひとつとして、メリービズと取り組んできた「作業のオンライン化」を挙げた。その取り組みは、経理アウトソーシングがBCP(事業継続計画)の一部を担えることを示唆している。

理想の組織をつくり上げる手段としてメリービズのバーチャル経理アシスタントを選択した理由、そして「事業を共に創り出す」コーポレート部門のあり方を伺った。

経費精算のアウトソーシングについてまとめ

経費精算は規模の大小を問わず、どのような企業でも発生するものです。しかし、一括りに経費精算といっても、体制や社内文化によって抱える問題は様々です。自社における経費精算の課題を正しく把握し、それを確実に解決できるアウトソーサーを活用することが改善の大きな一手となります。

メリービズの『バーチャル経理アシスタント』では、各企業様の課題に合わせて適切なアウトソーシングをご提案いたします。貴重な社内リソースをコア業務に集中させて安定した経理業務を実現させるため、ぜひアウトソーシングを検討してみてください。

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