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  • 新規事業立ち上げに参画するため経理業務をアウトソーシング。―属人化からの脱却、そして安定した運用体制へ

    株式会社マルチブック

    業種
    海外拠点向けクラウド会計・ERPサービス「multibook」の開発・提供および海外拠点の経理・給与計算等の業務代行サービス(BPO)の提供
    従業員数
    42名(パートナー含む)

    導入について

    今回お話を伺ったのは、海外拠点を持つ企業の経営管理を支援するクラウド型会計・ERPシステム『multibook』や、BPOサービス『海外クラウド経理部』を提供する、株式会社マルチブック。2023年2月に『バーチャル経理アシスタント』を導入いただき、2024年2月にはメリービズと販売代理店契約を締結(*1)、パートナーとしても協業させていただいています。

    クラウド型会計システムを展開する同社は、なぜ『バーチャル経理アシスタント』の導入に踏み切ったのでしょうか。属人化し切っていた業務の引き継ぎを乗り越えられた、その理由とは。

    2015年に入社して以来、基幹事業の方針転換や組織の体制変更、マネージャーの退職など多くの変化と困難を乗り越え、今では同社の事業を力強く支える財務経理部リーダーの早嵜加江さんに、お話を伺いました。

    新規事業立ち上げのため、経理業務をアウトソーシング

    ──まずは、貴社の事業内容について教えていただけますか。

    早嵜:弊社マルチブックは、もともとSAPコンサルティングの会社として創業しているのですが、2015年にクラウド型ERP「multibook」のサービス提供を開始しました。2021年7月のSAPコンサルティング事業の譲渡後は、この「multibook」が事業の柱になっています。

    「multibook」の特徴は、クラウド型ERPで多言語・多通貨に対応している点にありまして、主に海外拠点をお持ちの企業様に導入いただいております。

    ──会計システムを展開されている企業にお使いいただくのは、メリービズとしてもやや珍しい事例です。どのような経緯で、『バーチャル経理アシスタント』の導入を検討いただいたのでしょうか。

    早嵜:導入以前は、私とマネージャーの2人で経理を担当していたのですが、2022年秋にBPO事業を新たに立ち上げることになり、私もこれまでの経理経験を生かすべくこちらの新規事業に参画することになり、私の経理業務を他の方に引き継ぐ必要が出てきたんです。

    ──採用や他のアウトソーシングサービスも検討されたのでしょうか?

    早嵜:そうですね、採用も検討はしました。ただ、急ぎでいい人材を採用するのもなかなか難しく、ちょうどBPO事業を立ち上げようとしていたこともあって、自分たちの学びのためにも今回はアウトソーシングという新たな方法を試してみることにしました。

    いくつか他のサービスも検討しましたが、バックオフィスの専門紙でメリービズさんの記事を拝読したことをきっかけにお話を伺い、ご提案を聞いてメリービズさんにお願いすることに決めました。協業のお話もあり、弊社の営業担当と渋谷のオフィスにもお伺いしました。明るい雰囲気の会社で、とても良い印象を受けました。

    複雑な業務の引き継ぎも、1つ1つ乗り越えた

    ──『バーチャル経理アシスタント』の導入に際して、不安や懸念などはありましたか?

    早嵜:ずっと属人的にやってきた業務だったので、それを外部の方に、しかもオンラインで引き継ぎをするという点は、正直不安でした。オンラインでの打ち合わせは何度もしていましたが、業務の引き継ぎとなるとファイルの共有などもありますし、システム操作などもあります。うまくいくのかなと始まるまでは心配していました。

    ──皆様そう仰います(笑)まず、長年暗黙知的にやられてきた作業を、言語化して整理する作業が大変ですよね。

    早嵜:そうなんです。まずは、自分のやっている業務を書き出し、それぞれにどのぐらいの工数がかかっているのかを可視化する作業から始めたのですが、そうした棚卸作業をしたのも今回がはじめてだったので、最初はなかなかコツが掴めなかったですね。

    しかし、導入コンサルタントの方に根気よく伴走していただき、工程を洗い出すことができました。大変な作業ではありましたが、私の頭の中にだけ存在していたマニュアルが綺麗に整理され、今はすごくすっきりしています。

    ──今回、業務引き継ぎの際に非常にわかりやすくご説明をしていただきました。実は、その録画データをスタッフに共有するだけで、業務内容をほぼ把握することができたんです。きっと、事前に入念なご準備をしていただいたんですよね?

    早嵜:そうですね。近年はデータで請求書を送付される取引先も増え、ドライブなどを使ったデジタルでのやりとり自体には慣れていたんですけど、デジタル化が進んでいろいろ効率化されたとはいえ、今まで自分のやっていたことを言葉にして人に伝えることは、簡単なようで難しい。「この言い方だと、自分はわかるけれど他の人はわからないよね」と、何度も何度も確認しながら準備しました。でも、普段はなかなかそういう作業をすることもないので、いい機会だったと思います。

    ──通常、スタッフ向けのマニュアルは弊社で作成していますが、今回はそこにかなりご協力をいただいたことで、複雑な業務を正確かつスピーディーに引き継ぐことができたと思います。他に、引き継ぎ期間中に苦労したことなどはありましたか?

    早嵜:「早く渡したい」という気持ちはあった一方で、どこまで一気に引き継ぎをしていいものか、加減がよくわからなくて……。無意識にブレーキをかけてしまっていた部分があったと思います。比較的単純な業務から切り出してお渡ししていったのですが、細かくて分量のある作業などは最後まで温めてしまいました。また、引継ぎの最中に上司であるマネージャーの退職などの想定外の事態もあり、追加で業務をお願いすることになりましたが、短時間で巻き取っていただけました。

    私の進めやすいペースに合わせて一つ一つ丁寧にご対応いただけたからこそ、大きなトラブルなく安定運用に至れたのだと思います。最初は週次でミーティングをやっていただいたこともあり、本当に細やかな対応に感謝しています。

    突然のマネージャー退職から、「一人経理」に

    ──マネージャーの方が退職されてからは、早嵜さんが「一人経理」に?

    早嵜:そうなんです。突然のことで動揺しましたが、一人経理部の誕生となりました(笑)。
    でも、そのときには私の業務の引き継ぎがほとんど完了していたのは幸いでした。私はご入力いただいた帳票のチェックや月次レポートの作成業務など、もともとマネージャーがやっていた業務を新たに担当することで、一人で経理部を回せる体制をなんとか構築することができました。

    ──ご自分の業務の幅が広がり、責任が増えることに対して、不安などはなかったんですか?

    早嵜:もちろん不安や心配、大変なことはありますが、やりがいも感じます。マルチブックに入社する以前は、もっと規模の大きな会社にいたのですが、外資系だったこともあり、業務の範囲がすごく厳密に定められていて。「もっとこうしたらいいのにな」と思うことがあっても手を出せないところに、物足りなさを感じることもありました。

    一方、マルチブックは、会社の規模が数十名と比較的小さく、変化のスピードが速い。何でも任せてくれたり、一人ひとりがどんどん自律的に動かないと回らない。いい意味で自由度が高くチャレンジもできる。そこが自分に合っていると感じています。ですので、上司の退職は予想外の展開ではありましたが、結果的には非常にいい成長の機会をいただいたと思っています。

    ──「早嵜様個人のキャリア」という観点でも、プラスの変化があったようで嬉しく感じます。引き継ぎ期間が終わってからの運用状況はいかがですか?

    早嵜:メリービズのスタッフの方々には当社サービスの「multibook」を使っていただいており、スタッフの皆さんにとっては初めて触る会計システムだったと思うのですが、本当にあっという間に操作にも慣れていただき、スムーズに進めていただいています。都度細かい指示を出さなくても、マニュアルや過去の仕訳を見て自分たちでどんどん進めてくださいます。

    また、自分たちで入力作業をしていたときは、細かいチェックまで手が回らず、ときどき仕訳のミスが発生していたのですが、今は2名体制でチェックまでやっていただいているのでそういったことも減りました。何か修正があるときも、迅速にご対応いただけており、助かっています。

    ──導入以前は、オンラインでのやりとりにご不安もあったとのことですが、コミュニケーションにおいて困ったことなどはありませんでしたか?

    早嵜:まったく困難がなかったわけではなく、やはりテキストでのやりとりにおいては、ちゃんと伝えないと伝わらないなと感じたこともありました。ただ、そこはコミュニケーションを重ねる中で、少しずつ改善できているように感じます。
    途中でスタッフの方の交代も何度かありましたが、その引き継ぎも私が何もしなくともスムーズにやってくださいました。

    ──早嵜様の働き方は、導入以前と比べてどう変わりましたか?

    早嵜:以前はやはり月末月初が忙しく、残業も多かったのですが、最近は証憑を渡せばあとは進めていただけるので、これまでのような月末月初の負担は減りました。自分は全体のコントロールに専念でき、月次決算もいままでと変わらないスケジュールで進められているので、非常に助かっていますね。

    その後の月次レポートの作成作業はそれなりに大変ですが、目の前の入力作業に追われていた当時に比べると、現状は財務諸表と照らし合わせながら入力内容を確認するなど、より俯瞰的な視点で業務に向き合えていると感じます。これまで自分で入力作業をやっていたからこそ、「ここはおかしいんじゃないか?」と、違和感や間違いにもすぐ気付けますし。ミクロとマクロの両軸の視点を持つという、キャリアにおいて非常に重要な経験ができているんじゃないかと思います。
    そして、「一人経理」にとっては、こうして外部に一緒に働いてくださる仲間がいると、大変心強いなと感じますね。

    ──そう言っていただくことが、スタッフにとっても何よりの励みになると思います。

    早嵜:まさにこれから決算期なんですけれども、この決算期を乗り越えられるかどうかは『バーチャル経理アシスタント』のスタッフの方お二方にかかっているといっても過言ではありません。同じ経理部のメンバーとして、一緒に乗り越えていただきたいと思っておりますし、すごく頼りにしています。

    『バーチャル経理アシスタント』の活用で、事業を新たなステージへ

    ──会社として、個人として、これから挑戦されたいことなどはありますか?

    早嵜:個人的には、もう少し会社が大きくなったら経理部のメンバーを増やして、私自身も何か新しいことにもチャレンジしていきたいなと思っています。BPO事業にももっと携わっていければと思っています。

    また、会社全体では、BPO事業(海外クラウド経理部)の事業もおかげ様で拡大しつつあり、海外の現地スタッフの方に記帳していただくような仕組みも整えているところです。そうした新規事業に注力していくためにも、ますますメリービズさんのお力をお借りしていきたいと思っているところです。

    ──今後、メリービズに期待することなどはありますか?

    早嵜:基本的に満足はしているのですが、強いて挙げるならば、業務の改善についてもう少しご提案いただけるといいかもしれません。今は、私の伝えた通りのやり方で業務を進めていただいているのですが、もっと効率のいいやり方もあると思うので。もし何かアイデアがあれば、どんどん言っていただけると本当に同じ経理部の仲間として、協働できるんじゃないかと思います。

    ──最後に、『バーチャル経理アシスタント』のスタッフに向けて、メッセージをいただけますか。

    早嵜:お二人ともスピーディーにご対応いただいていて、本当に助かっています。Slackで連絡をしたときも、すぐにスタンプで反応が返ってくるので、受け取っていただいているんだなと安心感がありますね。

    実は、ときどき社内の事情でデータをお渡しするまで時間がかかって、申し訳ないなと思いつつも急ぎの依頼をしてしまうこともあるんです。ですが、そういった場合もいつも「承知しました!」と対応いただけて、本当に頼りにしています。引き続き、よろしくお願いいたします。

    *1:メリービズとマルチブックが販売代理店契約を締結
    https://merrybiz.co.jp/news/multibook_merrybiz/

    クラウド型会計・ERPシステム『multibook』
    https://www.multibook.jp/

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