経理業務を効率化する6つの方法!非効率の原因や成功事例を解説
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経理業務は企業活動に欠かせないものの一つです。その業務量は膨大で内容は多岐にわたるうえ、担当する人員は限られています。担当者の負担を軽減するためにも経理業務の効率化を図ることは重要です。
そこで本記事では、経理業務の課題や効率化を進める方法、効率化に成功した企業の事例を解説します。
1.経理業務が非効率になりやすい理由
経理業務が非効率になりやすい原因は、経理業務の特性や性質にあると考えられます。詳しく見ていきましょう。
1-1.業務が属人化しがちで、第三者のアドバイスを受けにくい
経理は専門スキルを必要とするため少人数のことが多く、属人化しやすい傾向にあります。
担当者が独自のやり方で業務を行うことも多く、業務効率化の余地に気づけないこともしばしば。業務内容はブラックボックス化しやすく、外部からアドバイスを受けにくいことも特徴です。
1-2.紙で運用する業務が多い
経理業務で扱う数々の書類を未だに紙で運用している企業は少なくありません。特に請求書、領収書、発注書など企業間でのやり取りに使われる書類は紙の運用が残っていることが多く、手作業での管理・集計には時間も手間もかかります。
アナログ作業の非効率を避けるために会計ソフトを活用するなど、デジタル化を進める企業も多く、脱紙の動きも進んでいます。しかし、ITツールに詳しくないために導入が進まなかったり、ツールを導入しても使いこなせずに効率化が進まなかったりする企業も多いです。
1-3.ミスを防ぐことが重視され、スピードが軽視されやすい
経理業務では資金や売上など経営数値を扱うため、常に正確性が求められます。ミスをすれば取引先から信頼を失う可能性もあり、些細なミスが大きな損害につながりかねません。そのため経理部では業務遂行のスピードよりも正確性が重視される傾向があります。その通り正確性は重要である一方、過剰なミス防止策は業務効率を下げてしまいます。不要と思われるチェックや、紙印刷などアナログに頼ったミス対策は非効率な状況を招くでしょう。
2.経理業務を効率化するメリット
ここまでは経理業務が非効率になりやすい理由を見てきました。ここからは、効率化することのメリットを解説していきます。
2-1.人的ミスが減る
経理業務は業務量が多く、手作業のみで処理するのは非常に手間がかかります。膨大な業務を時間内に終えようと急いで進めると、ミスが生じやすいのが特徴です。
ツールやシステムを活用すれば、手作業で行っていた業務の一部を自動化することができ、業務効率が大幅に改善します。業務量が減ることはもちろん、空いた時間で業務内容のチェックも余裕をもって行なえるため、結果として人的ミスのリスクが軽減します。
2-2.残業時間軽減により人件費が削減できる
業務整理やツール活用で効率化を進められれば、毎月手作業で行っていた業務を減らすことができ、短時間でより多くの業務を進められるようになります。担当者あたりの稼働時間が減るため、残業手当や休日出勤手当などの人件費削減にもつながります。
2-3.社員の満足度が上がる
経理業務では小さなミスが大きな損失につながる可能性があります。膨大な業務量を少ない人員で担当しているので、限られた時間内でミスなく正確に業務を進めることにストレスが溜まっていきます。残業や休日出勤が重なれば、心的疲労に追い打ちをかけることは間違いありません。
業務効率化を進めて担当者あたりの業務量を減らすことで、落ち着いて業務に取り組めるようになることはもちろん、過剰労働から解放されて満足度が上がり、退職リスクも回避できます。
2-4.経理のコア業務に集中できる
効率化を進めることで、本来集中すべきコア業務に集中できるようになります。コア業務とは利益に直接つながる業務を指し、損益分析や経営計画策定、キャッシュフロー管理といった、企業の競争力を高めるために不可欠な業務です。
コア業務を支える業務であるノンコア業務の削減・効率化を進めれば、企業の経営にとって重要なコア業務に時間をかけることができます。
3.経理業務を効率化する6つの方法
経理業務を効率化するにはまず、既存の業務フロー(業務の流れ)を見直す必要があります。業務フローを改善する方法や改善後の運用について、具体的な手法を交えて解説します。
3-1.会計ソフト・ツールを導入する
会計ソフト・ツールの導入は効果的な手法の一つです。例えば、中小企業を中心とする経理の現場ではExcelを活用していることが多いです。しかしExcelでは情報の統合に難があり、複雑な処理を行うとミスが発生しやすく、業務効率が著しく下がる瞬間が訪れます。中には保存したはずのデータが保存されずに破棄され、一からやり直しなんてことも。
そこに会計ソフトを導入すれば、業務効率が改善します。情報が統合され、入力の手間が減ることはもちろん、クラウド型の会計ソフトであれば、部署内での情報共有が簡単になります。様々な会計ソフトがあるので、どの業務を効率化したいか考え、適切なものを導入しましょう。
3-2.ネットバンキングを利用する
取引先への支払いは重要な経理業務の一つですが、指定の振込日はそれぞれ異なることが多く、ネットバンキング未登録の場合は何度も銀行に足を運ぶ必要があります。その都度銀行指定の用紙に振込内容を記入して窓口まで持って行くのは非常に面倒で時間がかかる業務です。
ネットバンキングを導入すれば振込日の度に銀行に行く必要はなくなり、業務工数を大幅に短縮できます。
3-3.小口現金の利用をやめる
現金管理の効率化、つまりキャッシュレス化によって、経理業務の負担は改善します。小口現金を扱う際には、現金の補充・両替・金庫の管理・出納帳の記入など、付随する様々な業務に時間を取られます。
小口現金の利用をやめることでこれらの業務を削減でき、防犯上のリスクも軽減されるでしょう。従業員数が多い企業ほど大幅な工数削減が期待できることも特徴です。
3-4.請求書の発行・受領を電子化する
経理業務にはルーティンワークが多く、その中でも請求書発行・受領に甚大な時間がかかっている企業は多いのではないでしょうか。請求書発行のミスは取引先への影響が大きく、請求書受領は支払業務と関係するため煩雑になる傾向があります。
担当者の手間や煩わしさを無くすためには、請求書を電子化することが効果的です。請求書発行・受領システムを導入することで、今まで請求書発行や受領にかかっていた時間が大幅に削減され、経理業務の効率化が進みます。
3-5.マルチディスプレイを導入する
経理業務では複数のファイルを同時に開いて業務を行うことが多くありますが、一つのパソコンで画面を切り替えながらの業務には限界があります。
マルチディスプレイを導入することで、複数画面を同時に見ながらの業務が可能になります。一つの画面で会計ソフトを開いて別の画面でExcelを開けば、両者を見比べながら入力業務を行えますし、ウェブ上で気になった内容を検索するのにも効果的です。業務効率が向上し、ミスの防止につながります。
ディスプレイを購入することになりますが、性能にそこまでこだわる必要はありません。接続も簡単で安価に購入できるので、導入しやすいでしょう。
3-6.経理業務をアウトソーシングする
経理業務をアウトソーシングすることも方法の一つです。経理業務は仕訳入力から請求書作成、支払、経費精算など多岐にわたり、正確に行う必要があります。経理の専門知識をもったアウトソーシング会社に委託し、担当者の負担を軽減することは、企業にとって大きなメリットです。
アウトソーシングには費用がかかりますが、担当者が退職・休職した場合の採用コストや、専門知識を習得してもらう育成コストを削減できます。経理のプロが業務を行っているため、内部の不正やミスを防ぐことも可能。業務スピードが上がることが多く、委託先によっては専門家からのアドバイスを受けることもできます。業務内容のマニュアル化や法改正の対応なども進みやすく、生産性向上が見込めます。
4.経理業務のアウトソーシングによる効率化事例
ここからは、実際に経理業務をアウトソーシングして効率化に成功した企業の事例をご紹介していきます。導入当初の課題やサービス選定の軸、業務効率化の経緯を解説します。
4-1.経費精算業務の作業時間が20時間から1時間に|株式会社I-ne
ボタニカルライフスタイルブランド『BOTANIST』美容家電ブランド『SALONIA』などのブランドや商品の開発及び販売を手掛ける株式会社I-neは、事業の急成長に伴う業務量の増加と作業の属人化という課題を抱えていました。特に業務を圧迫していたのが、月間20時間を要していた経費精算業務でした。経費精算システムを導入して改善された部分もありましたが、それだけでは解決できない課題が残り、アウトソーシングサービスの導入を検討しました。
経理業務を専門とするサービスである点、オーダー型で委託できて業務設計から相談できる点を重視して、メリービズ『バーチャル経理アシスタント』を選びました。簿記や会計の知識・経験を持ったリモートスタッフが業務をサポートする点も導入の決め手になったようです。
導入前は経費精算関連の業務に月20時間かかっていたのが1時間で完了するようになり、作業時間は20分の1に。『バーチャル経理アシスタント』の経理スタッフが知識・経験の豊富さを活かして業務を進めながらフィードバックをすることで、コミュニケーションコストを抑えて精度の高い仕事を実現しています。
経費精算業務の作業時間が「20時間から1時間に」──改善のきっかけは『バーチャル経理アシスタント』
4-2.30%の工数削減を実現|株式会社サンブリッジ
Salesforceの導入支援やコンサルティングを通して企業のDX実現や仕事の効率化を後押ししている株式会社サンブリッジでは、経理部門の1名が産休・育休に入ることになり、残ったメンバーの業務量が増大。日々のルーティン業務をこなすだけで手一杯になっており、アウトソーシングを導入することを検討し始めました。
既に利用していた会計ソフト「freee会計」に精通していることを理由に『バーチャル経理アシスタント』を導入。リモートスタッフも会計ソフトをよく理解しているので業務の引き継ぎや説明を最小限で済ませることができ、その後の業務も迅速で期待以上だったという声をいただいています。
導入後は作業時間を30%ほど減らすことができ、支払い依頼の起票数も10%ほど削減することに成功。一時増加していた残業時間を元の水準に戻すことができ、勤務状況がかなり改善されました。少しずつメリービズに依頼いただく業務範囲は拡大しており、今まで社内の仕事と思われていた膨大な業務の負担を軽減できているそうです。属人化しがちだった業務の一部を切り離すことができており、空いた時間で経理業務の問題点の把握や改善を進めていかれるそうです。
『freee会計』に精通したサービスを探し、1カ月で導入。30%の工数削減を実現
4-3.約1,000枚の支払請求書の処理が2営業日で完結|株式会社ベネフィット・ワン
利用者数約834万人・導入団体数約11,300団体を誇る『ベネフィット・ステーション』を中心とする福利厚生事業などを展開する株式会社ベネフィット・ワンでは、毎月1,000枚を超える支払請求書が発生し、その処理を担当する財務経理部の業務を圧迫していました。事業拡大に伴い請求書処理業務は増加の一途をたどっており、効率化のために派遣社員の採用やシステムの内製を検討したもののコスト面で断念。
そんななか、顧問税理士事務所からの紹介で『バーチャル経理アシスタント』を知り、コストを抑えて必要な時だけ業務を依頼できることを理由に導入。リモートスタッフは支払い請求書をオフィスでスキャンして電子データ化、即日データを共有して7名体制で夜間も含めて迅速に入力し、スキャンから2営業日で入力データを納品しています。
導入後は定常化していた残業が大幅に減り、業務の遅延も解消されました。業務をアウトソースすることで社員のマンパワー不足を補うことができ、業務の標準化が進み、属人化していた業務体質を改善しました。
約1,000枚の支払請求書の処理が2営業日で完結──“二人三脚”で実現した、飛躍的な業務効率の改善
経理の業務効率化についてまとめ
経理業務の効率化を進める方法には、システム化はもちろん、ペーパーレス・アウトソーシング活用などがあります。経理部門の状況は日々進化しているため、どの方法が適切なのかをよく検討することが重要です。日常業務をしながら効率化を図るには限界があるので、経理アウトソーシング会社に相談しながら自社の課題を解決していくのも一つの方法です。
メリービズではお客様のニーズに合わせて経理業務のアウトソーシングをいたします。ぜひご相談ください。
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