クラウド会計導入・運用の費用はどれくらい?流れや支援事例も解説

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インターネット環境であれば、場所や時間に左右されず会計処理が行えるクラウド会計サービスは、多くの企業で取り入れられています。クラウド会計システムの導入を検討する企業であれば、機能や使いやすさはもちろん、導入や運用に必要なコストも気になるポイントでしょう。

本記事では、クラウド会計を導入・運用する場合の費用について解説します。また、導入までの流れや、メリービズが導入をご支援した事例についても解説していますので、ぜひご覧ください。

クラウド会計導入のメリットについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください

1.クラウド会計の導入・運用にかかる費用

経理業務の効率化を目的に、クラウド会計システムの導入を検討をしている企業が増えています。当然ながら、会計システムを選ぶ際には機能や使いやすさだけでなく、費用も重要なポイントです。
それでは、クラウド会計の導入と運用別に、必要な費用を見ていきましょう。

1-1.クラウド会計の導入費用

クラウド会計システムは買い切りではなく月額料金であることがほとんどであり、初期費用が無料である場合が散見されます。インストール型の会計システムは、初期費用がかかるものが比較的多く、クラウド会計との比較ポイントです。

ただし、クラウド会計を自社で導入する場合、初期費用とは別に、要件定義やツール選定、運用フロー設計など、導入における既存業務フローとの連携や使用方法のキャッチアップコストがかかります。自社の人材がクラウド会計の知識が不足している場合、導入支援を外部に依頼することもできますが、法人では20〜100万円ほどの費用が必要です。
なお、導入支援を個人の税理士に依頼する場合、個人事業主向けだったり、簡単な対応にとどまるケースもあります。法人の場合は導入支援だけでなく、業務整理などの複雑な対応を行ってくれますが、依頼内容によっては更に費用がかかる可能性があるため、自社の規模に合った導入支援を考えることが大切です。

1-2.クラウド会計の運用費用

ほとんどのクラウド会計では導入費用が不要な分、運用費用がかかります。運用費用は利用する会計ソフトの機能や規模により異なるため、一概にはいえませんが、ここではクラウド会計システムで有名な「freee会計」と「マネーフォワード」を参考に、運用費用を見ていきます。

クラウド会計システム プラン 費用
freee会計 ミニマム
(決算書類の作成と記帳の効率化を行いたい方へ)
月払い:2,680円
年払い:23,760円
ベーシック
(経理全体の効率化、成長にむけて数字の可視化を実現したい方へ)
月払い:5,280円
年払い:47,760円
プロフェッショナル
(社内ワークフロー、管理会計を行いたい方へ)
月払い:47,760円
年払い:477,600円
マネーフォワード
(参考:小規模〜中小企業向け料金)
スモールビジネス
(部門管理が不要な企業や、請求業務の少ない小規模事業者向けプラン)
月払い:3,980円
年払い:35,760円
ビジネス
(バックオフィス業務全般を効率化したい中小企業向けプラン)
月払い:5,980円
年払い:59,760円
IPO準備・中堅〜上場企業向け 要問い合わせ

※価格は全て税抜き、出典先から引用し、一部加筆した。2024年6月時点の情報
※出典:freee会計https://www.freee.co.jp/accounting/small-business/pricing/function/

マネーフォワード クラウド https://biz.moneyforward.com/price/

 freee会計、マネーフォワードともに各プランによって、ファイル管理ストレージの容量や招待できる人数が決まっています。運用コストをシミュレーションする際は、実際に利用する人数や、使いたいオプションにかかる費用も合わせて計算しましょう。

2.クラウド会計導入・運用の流れ

クラウド会計の導入・運用コストについて確認しましたが、実際に導入する場合、どのような流れで進めると良いのでしょうか。ここからはコンサルティングサービス『メリービズ経理DX』の例から、導入や運用の流れを確認していきます。

クラウド会計の導入や運用の流れは、システムによって違いはありますが、『メリービズ経理DX』では、以下のような流れになります。

  • 現状整理・業務の可視化
  • 導入するクラウド会計ソフトの選定・業務フロー設計
  • 初期設定・データの移行
  • 運用開始・運用フローの見直し

それぞれの流れについて、順番に解説します。

2-1.現状整理・業務の可視化

クラウド会計導入の前に行うのは、現状の整理と業務の可視化です。どのような課題があり、解消するためにどのような仕組み・機能が必要であるのかを把握しましょう。

また、いつどこで誰が、どのような方法で仕事を行っているかの業務プロセスを把握する、業務可視化も必要です。業務の可視化を行わずにシステム導入や業務改善をしてしまえば、システムの導入がゴールとなってしまい、「本来解決するべき課題」が解消されないリスクがあります。課題の認識が不十分なまま、システム導入ありきで進めれば、導入後も必要な数値がわからず、経営数値の不透明化にもつながります。

経営者やシステム担当者、実際に運用する経理担当者など、さまざまな目線で現状整理や業務可視化を行い、自社にとってクラウド会計に必要な機能を洗い出していきましょう。

2-2.導入するクラウド会計ソフトの選定・業務フロー設計

現状整理と業務の可視化をした後は、導入するクラウド会計ソフトの選定および業務フローの設計を行います。自社に必要な機能など、条件を満たしているサービスを複数選定したうえで、利用しているツールとの連携やサポート体制など、細かい部分を比較していきましょう。
実際に運用を始めた際の使用感や操作感が気になる場合は、無料トライアルがあるサービスがおすすめです。比較している会計ソフトが無料トライアル可能であれば、ぜひ利用してみてください。

2-3.初期設定・データの移行

クラウド会計の選定や業務フロー設計が完了した後は、初期設定やデータの移行を行います。「勘定科目」や「得意先」「仕入先」マスタの設定を実施します。仕訳帳画面で検索が可能になるよう、タグ設定を行う場合もあります。マスタやタグ設定が終われば、開始残高を設定して、過去や当期データの移行を開始します。初期設定やデータの移行が終わり次第、運用をはじめていきましょう。

2-4.運用開始・運用フローの見直し

クラウド会計の選定が終わり、初期設定やデータの移行が済めば、実際にトライアル運用を開始します。トライアル運用とは、運用を開始し、当初の設計通りに運用ができるのかチェックをしながら進めるオペレーションを指します。既存のシステムと並行して稼働させることが多く、ここで洗い出した改善ポイントをリストアップし、修正していきます。
改善を進めながら、運用フローについても見直しを進め、自社にとって最適な運用ができるようにしていきましょう。

3.クラウド会計導入コンサルタントに導入支援を依頼するメリット

ここまでクラウド会計の導入や運用の流れについて説明しましたが、導入支援の専門家にサポートを依頼するメリットをあまり感じない方もいるのではないでしょうか。専門家にクラウド会計導入支援を依頼するメリットには、以下のものがあります。

  • どのシステムを選ぶべきか、企業ごとの導入目的に沿った意思決定を支援してくれる
  • 企業に合わせた導入ステップの提案や、業務フローの構築をしてもらえる
  • 最新のクラウド会計システムの機能要件やアップデート情報を熟知したプロのノウハウを活用できる

専門家にクラウド会計導入支援を依頼するメリットとして一番に挙げられるのが、知識や経験を持ったプロが対応してくれることです。クラウド会計の導入に立ち会う機会はあまり多くなく、業務整理やクラウド会計ソフトの選定に戸惑う担当者も多いのではないでしょうか。
クラウド会計の導入支援を行う企業は、システムはもちろん、現場の業務に精通している必要があります。導入に迷い、プロのノウハウや知見が必要となった場合は、抱え込まず、問い合わせをすることをおすすめします。

4.メリービズ経理DXがクラウド会計導入を支援した事例

クラウド会計の導入や運用の費用、流れについて見ていきましたが、ここからは実際に、『メリービズ経理DX』でクラウド会計の導入をご支援した2つの事例について紹介します。

4-1.温故知新様

『メリービズ経理DX』が実現する、“気軽な”大改革
──温故知新の会計システム刷新プロジェクト

<導入効果>
・業務負担がほぼない状態でシステム切替に成功。システム利用時の不明点もクリアに
・本社およびグループ企業複数社の決算業務も、難なく乗り越えることに成功
・「辞めない」経理業務支援により、採用後の引き継ぎ・教育コストがほぼゼロに

4-2.アーバンスペース様

クラウド会計導入でテレワークを実現、レガシーな業務プロセスを抜本改革!
退路を断って進めた経理DXがもたらす、バックオフィスの改善マインド。

<導入効果>
・紙ベースの起票や伝票管理などの業務がなくなり、すべてクラウド上で完結
・月次に関わる業務工数の大幅削減に成功。週3日のテレワークも実現
・売上・費用をタイムリーに把握することが可能に。銀行からの評価もアップ

5.まとめ

クラウド会計は、インターネット環境さえ整っていれば場所を問わず利用でき、どこからでも会計処理が行えます。
クラウド会計の導入には現状整理や業務の可視化、クラウド会計ソフトの選定、データの移行を含む初期設定、運用や運用フローの見直しなど多岐に渡りますが、一度システムを取り入れてしまえば、業務の効率化に繋がるでしょう。
一方、導入に向けて自社でシステムの選定から業務整理や業務フローの設計を行うのは、大変だと感じた方も多いのではないでしょうか。

コンサルティングサービスである『メリービズ経理DX』では、クラウド会計ソフトの導入だけではなく、その後の運用までお客様に合わせた必要十分なサポートを行います。導入後の安定化までご支援が可能ですので、ぜひ検討してみてください。

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