開業費の帳簿の付け方〜確定申告の心得〜

フリーランスや個人事業主が事業を始めるにあたって、机や文房具などいろいろな経費がかかります。まだ開業していないが、支払いがあるものはどのように帳簿付けすればいいのでしょうか。ここでは確定申告における「開業費」の処理方法を見ていきます。「開業費」を上手に利用して、確定申告で節税をしましょう。

開業費とは

確定申告、開業における注意
開業前の準備活動に要した費用は「開業費」で処理します。では、開業費とはどのような性質のものでしょうか。実は、開業費は経費ではありません。「繰延資産」という資産の一種です。資産の科目でいったん処理し、その後毎年少しずつ経費にしていきます。これを「償却」といいます。会計ソフトを使用する場合、メーカー各社でこの処理方法に特色があります。
さて、なぜ開業費に対してこのような処理をするかというと、「開業前の準備費用があるから、今後ずっと仕事ができる。つまり、開業年度だけの費用ではなく、それ以降の年度にも影響するため、開業年度だけの経費にはならない」と考えるからです。

開業費になるものとならないもの

個人事業主の場合、開業までに支払ったものは基本的に「開業費」になります。ただし、開業費にできないものもあります。代表的なものを見ていきましょう。

①ひとつあたり10万円以上するもの
これは、固定資産になります。固定資産は別に法律で規定があるため開業費にはできません。

②商品の仕入代金
販売目的で購入したものは、開業費にすることはできません。

③敷金など後日戻ってくるもの
敷金や加盟金などで後日戻ってくるものは、そもそも経費ではないため開業費にすることはできません。

※法人の場合は開業のためだけにかかった費用しか開業費にできません。個人事業主の場合は、開業前に支払った事務所の家賃や従業員の給料は開業費にできますが、法人の場合それらは開業のためだけの費用ではないので開業費にできません。

何年で償却するのか

開業費を何年で償却するのかは、会計上の考え方と税法上の考え方の2つがあります。

会計上…5年で均等償却
税法上…任意償却

会計上は5年間で均等に償却となっていますが、税法では任意償却です。任意償却とは、その年に経費にする金額を0円から開業費の全額までの間で、納税者が自由に決めることができる償却方法です。そのため、今年は赤字になりそうだから償却を0円にしようとか、黒字が多いので開業初年度で全額経費にしようということが自由にできます。実務上は税法に則って処理します。

まとめ 開業費は繰延資産にして、任意で償却を

開業前に支払った費用は開業費で処理します。開業費は費用ではなく、繰延資産という資産の一種です。
開業費の償却方法は税法上「任意償却」です。納税者で経費にする金額を自由に設定できます。
その年の利益の金額をみて経費にする金額を決めることができるため、上手に活用し節税に役立てましょう。

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