個人事業主必見!もう安心!領収書や宛名の書き方ガイド

個人事業主必見!領収書 宛名書き方パーフェクトガイド_481374305

これから開業される個人事業主の方にとって、あるいは既に事業を始めている方も領収書の書き方を間違うと、基本的なことだけにビジネス上の信用を失うことになりかねません。

飲食業や小売業など、レジを使用する場合、最近はレジの普及で一般個人客への領収書の発行はレシートで済むようになりました。しかし、顧客が個人事業主や法人の場合は、レシートでは代用できないとして、領収書の発行を求められることがあります。そこで、領収書の書き方に関して、この通り書けばもう安心!というガイダンスをお届けします。

そもそも領収書とは

領収書は、顧客へ商品やサービスを提供して、その対価としての金銭を受領した証拠として作成し、顧客に手渡す書面のことです。

金銭の授受の証拠ですから、電子メールやウェブサイト上の取引画面のコピーや、宛名の書かれていないレジのレシートも領収書として認められます。
ただし、顧客から手書きの領収書を要求されて、レシートなどを渡しているので手書きの領収書は書きませんと言うのは、特別なケースを除き一般的ではありません。

なお、領収書とレシートの両方を要求された場合は、経費の二重請求という不正の発生防止や収入印紙が必要な金額の場合に両方渡すと印紙税法上、両方に収入印紙を貼る必要があるなどの理由で断わることが可能です。顧客対策上、どうしても断りきれない場合は、レシートの原本を渡さないでコピーを渡すようにすると良いでしょう。

領収書の発行を断れない理由

民法486条の「受取証書の交付請求」の条文に、「弁済をした者は、弁済を受領した者に対して受取証書の交付を請求することができる」という規定があり、代金を支払った者はその受領者に対して領収書などの受取証書を請求する権利があると書かれています。

請求を受けたら交付しなければならないとは書かれていませんが、民法533条の「同時履行の抗弁」の条文に「双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない」という規定があり、もし領収書が発行されないのであれば、支払いはしなくても良いと書かれています。

つまり、領収書を発行しない限り、顧客は代金を支払わなくてもよいので、取引が成立しないので発行せざるを得ません。

領収書の書き方 6項目のポイントを押さえることで完璧

領収書に記載すべき事項は、消費税法で定められています。また、経理処理上や実務的な記載上、会社ごとに書式が定められている場合もあります。基本的には以下に記載する6項目を満たしていれば大丈夫なので、しっかりと覚えておきましょう。

ポイント1. 領収書発行日の記載

いつ発行したかは、税務処理上に非常に重要です。必ず発行日の日付を記載します。

ポイント2. 金額の記載書式

金額は、数字の先頭と最後、あるいは数字と数字の間隔が空いていると、数字の追加や挿入で改ざんが可能になります。そのため、数字の記載にあたっては、改ざんができないようにするために、以下の書式を守って記載します。

  • 先頭の数字の前に「\」「金」を付加し、末尾には「※」「也」「―」を記載します。「也」を使う場合は、「金」と対応させます。

また、数字の3ケタごとに「,」による区切りを入れます。金額が大きい場合は、「壱、弐、参、四、五、六、七、八、九、拾」「拾、百、千、萬」などの漢数字を用いると改ざんの防止力が高まります。

記載例:
\12,345,678※、\12,345,678-、金12,345,678也
金壱千弐百参拾四萬五千六百七拾八円也

  • 「1」は「4、7、9」に、「4」は「9」に、「6」は「8」などに改ざんしやすいので、改ざんされやすい字体で数字を書くクセがある場合、できるだけ改ざんができないような数字になるように注意します。

ポイント3. ただし書きに具体的な内容を記載

支払われた代金が何の商品やサービスに対して支払われたのかを具体的に記載します。「品代として」という表記が一般的によく使われていますが、具体的な表記をするようにします。

ポイント4.支払代金が5万円以上の場合、金額に応じた収入印紙を貼付けと割印

従来、3万円以上から収入印紙が必要でしたが、平成26年4月1日以降に5万円以上の領収書から収入印紙が必要に印紙税法が改正されました。

なお、収入印紙を貼らなかった場合、必要な収入印紙の額面の3倍の金額を徴収されます。また、収入印紙の再利用を防ぐために、割り印を押さなければなりません。

領収書には、収入印紙が必要ですが、電子メール、ファックスを使って領収書を送付する印紙税法の対象文書にならないので収入印紙が必要な金額の領収書であって収入印紙は不要です。

ポイント5. 領収書の発行者の住所と氏名の記載と押印

領収書の発行者の住所・会社名(氏名)の記載と押印を行います。

ポイント6. 領収書の宛名の記載

領収書をもらう時、宛名が空欄の領収書をもらったり、宛名がないので宛名を書いて欲しいと依頼しても、必要なら自分で書くようにと言われたりした経験一度、二度あるのではないでしょうか?

あるいは、正式な名称ではなく「上様」と書かれた領収書や「株式会社」が略されたり、長い会社名の場合に省略されたりした領収書をもらう経験をした方も多いのではないでしょうか?

そのため、宛名に関しては、以下の3つの誤解があるのではないでしょうか。

  • 宛名が空欄でもよいという誤解
  • 宛名を上様と書いてよいという誤解
  • 株式会社を(株)と省略、株式会社が前か後か、正しい記載に注意を貼らないという誤解

それぞれの誤解について、問題点を整理してみます。

領収書の宛名を空欄で作成

領収書の意義は、金銭の授受を証明するために行う行為なので、どんなに面倒でも、原則、空欄では渡すべきものではありません。

領収書の宛名が空欄であれば、金銭の授受は厳密な証明はできなくなります。受領側が後から書き込んでも同様です。また、ビジネス上は、宛名を書かないで、領収書を渡すことは顧客からの信用を失うことにもなります。

また、消費税法では、消費税の仕入税額控除をするための領収書の記載要件が決まっています。その中に、領収書の交付を受ける当該事業者の氏名または名称が含まれているので、宛名を記入して発行しないと、消費税控除を行う事業者は取引をしてくれなくなる可能性があります。

なお、上記の消費税法に関する規定には例外があります。小売業、飲食店業、写真業、および旅行業、一般乗用旅客自動車運送事業など不特定かつ多数の者に領収書を渡す場合は、宛名を省略できます。そのためのレジのレシートなどでも問題ありません。

領収書の宛名を上様で作成

上記の「領収書の宛名を空欄で作成」と同じ理由で正式な宛名を書く必要があります。また、かつては、少額な場合、上様でも多くの会社で経理上、問題なく処理されていました。しかし、最近では、不正な請求を防ぐために、会社経費で購入する場合の領収書の宛名は、極力正式な宛名を書くことを社員に要請しています。

安易に上様と書いて渡すと、顧客から書き直しを要求される可能性があります。そのため、最初から正式な宛名を書くようにすると手間が省けます。

領収書の宛名を略して作成

多く見られるケースが、株式会社を(株)と略したり、長い社名の一部を抜き出して略したり、横文字の社名の会社をアルファベットの先頭文字で略したりすることが行われています。

会社名は株式会社まで含まれて正式な名称として登記されています。そのため、領収書を受け取る側の許可が得られれば、略すことは問題ないですが、そうでない限りは、略さずに、また誤字・脱字のないように正確に記載することが、社会通念上の常識です。

聞き間違いを防ぐために、複雑な社名、名称の場合は、相手に書いてもらい、それを見て宛名を作成するようにすると手間が省け、かつ間違いなく正確に書けます。

領収書に関して書き方以外の重要事項について

ここに書かれた6つのポイントに注意して書くことで、書式上はパーフェクトな領収書を作成できます。

しかし、領収書は書式だけでなく、領収書の金額別に正しい税額の収入印紙を貼ることや、印紙税を不要にできる領収書の発行の仕方があることなど、書式以外にも領収書に関して理解する必要があります。そうすることで節税や事務処理の手間を省くことが可能になります。

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