仕事をするのにオフィスはいるのか?

今回のブログ記事は、先日インタビューもさせて頂いた、ソニックガーデンの倉貫さんから寄稿頂きました。倉貫さんは、ナレッジワーカーが快適に仕事が出来る環境というのを自社内でつくろうと考えていらっしゃいます。

今回の記事は少し前のもの(2011年6月18日)ですが、倉貫さんの「働き方」に対する考え方が表れており、とても良い記事だと思います。倉貫さんのとても素晴らしいことは、サービスの設計のみならず、社内の仕組み等でも「リーン」に立ち上げることに意識していることです。この記事の中に出てくる「スタッフの一人はバンクーバーで2ヶ月ほど滞在」は後に「アイルランドで1年」と発展していきます。

詳細は、

離れた場所で働くチームのつくり方~1年間のアイルランドでの実践で学んだこと

をお読みください。

大胆なことこそ、丁寧な積み重ねが大事ですね。

 

仕事をするのにオフィスはいるのか?

ちかく今のオフィスを出ていく時期がせまっているので、移転先のオフィスを探して契約するか、それとも全員がノマドと在宅にしてしまうか、考えてみました。

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)」という本が注目されたように、確かにインターネットやデバイスの進化によって、オフィスを持たなくても仕事をすることが出来るようになってきました。

筆者の会社(SonicGarden)でも、ノマドワークは実践しています。自分たちで使っているツールは、Google AppsやDropbox、youRoomにPivotalTracker、githubなど、すべてクラウドで提供されたものを使っていますので、ノートパソコンさえあれば、どこからでも仕事できるようにしています。

実際に、3.11大震災の直後は、一週間ほどスタッフは出社せずに自宅や実家に戻り、そこから業務をするということをしましたが、まったく問題なく日常の業務は遂行できていました。また、スタッフの一人はバンクーバーで2ヶ月ほど滞在しながら、今の仕事をしてもらうということをやってみましたが、Skypeも駆使しながら、まったく問題なく仕事はできていました。逆に「会社に来なくても良い」としたことで、より一層仕事に励むようになりました。会社に来る、ということが仕事をするという認識でいてしまうと、ともかく会社に来さえすれば給料が出るもんだと勘違いしてしまうのかもしれません。会社に来なくても良い、というのは思った以上に大変です。

そうなると、まさしく「仕事をするのにオフィスはいらない」状態になってしまうんですが、ちょっと違和感がありました。ノマドでは、すでに決まった仕事はできるんですが、新しいアイデアから動くものを産み出すという機会が起きにくいと気付きました。まだきっちり決まった仕事になっていないような、ふわっとしたアイデアの状態から、仕事にしていくようなプロセスの場合に、バラバラにいるのでは難しい。

ライターなどのフリーランスで個人でやっている方にとっては、ノマドなワークスタイルは集中できる時間と場所で仕事ができるので良いと思いますが、私はチームを持っていますし、チームで仕事をしていて面白いのは、仕事の途中の相談をしている中での雑談であったり、一緒に休憩をしている中で閃きがあったりして、そこから新しい事業やサービスの種が産まれることです。

それも、時間を決めてミーティングすれば良いかというと、そうではなくて、アイデアがおりてくる瞬間なんて決まってないので、決められた時間の中でのミーティングでは新しいアイデアは出てこないんですね。だからこそ、一緒の場所で、隣や近くで働いている様子が見えれば、いつでも声をかけれるし、その話の中でアイデアを共有できます。

また、ホワイトボードの存在も大きいですね。いつでもすぐに立ち上がって、近くにある壁に絵を描いて共有しながらディスカッションできる、これも大事なポイントです。ランチの途中に思いついて、ナプキンにメモをする、なんてのと同じことです。物理的にバラバラにいる中で、お絵描きを共有するのに便利なツールは沢山あるのですが、ふわっとした状態で、すぐに手軽に、ということになると、ホワイトボードにはかないません。ただ、それも自分たちのチーム専用で、すぐに使えるようになっていないと意味がないですね。アイデアを思いついてから、ホワイトボードの使える会議室を予約なんてしてたら、もう消えてしまいます。

そういう意味で、当社では「会議室と執務室を分けない」というのも、立ち上げた時からずっとやっています。まぁオフィス自体が小さいので、分ける余裕がないというのが実状ですが、これが以外と良かった。壁際にプログラマ席が用意されていて、そこで普段はプログラマ達は仕事をしているのですが、その部屋でお客様やパートナーを呼んでの打ち合わせをしたり、営業状況の会議をしたりします。プログラマには筒抜けになるのですが、逆にそれがよくて、なんとなく話の内容を聞けたり、興味ある話題だったらすぐに会議に参加できる訳です。(SonicGardenのオフィスの写真)

当社の場合、自社でクラウドのサービスをお客様に提供させてもらっているので、自分たちでも最大限クラウドを活用するようにしています。その結果、社員は誰も会社のオフィスに出社しなくても、仕事ができるような環境をつくることができたんですね。一方で、そこに行き着いたその先が見えてきた訳です。オフィス→ノマド→オフィスとまわって2週目なので、オフィス2.0とでも呼びましょうか。

それぞれが一人だけで、決められた仕事を遂行するということだけであれば、ノマドで集まらない仕事の仕方で十分だけど、一方で、チームでアイデアを出し合ってクリエイティブなものをつくっていこうとした際に、コラボレーションする場が必要だと判断しました。そのコラボレーションのための場としてのオフィスは、事務所や執務室という使い方や感覚ではないし、そのオフィスに来ることで仕事をしている、というような意味ではない。あくまで、チームで新しいものを産み出す為に集まるためのオフィスです。

そういう訳で、SonicGardenは新オフィスを賃貸して移転することにしました。決まったら公開するので、ぜひ遊びにきて下さい。あと、狭いですけどシェアしたいスタートアップかフリーランスがいれば共有しても良いかな、と思っています。

【ゲストブロガープロフィール】

倉貫義人さん SonicGarden 代表取締役社長
ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。日々アジャイルソフトウェア開発とリーンスタートアップを実践しています。クラウドを活用したワークスタイルの変革を目指しています。「心はプログラマ、仕事は経営者」がモットーです。

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