給与天引きとは?税金の控除額が決まる仕組みを解説

給与天引きとは?税金の控除額が決まる仕組みを解説

会社からもらう給与明細を見て、「なんか随分いろいろなものが引かれているな」と思うことがあるはずです。そこで、今回は、給与から天引きされている税金や社会保険料について解説していきます。

天引きされるのはなぜ?

そもそも、なぜ給与から勝手にいろいろとお金が引かれているのでしょうか。それは、税金や社会保険料という国の財政にとって重要な財源を、取り損なうことがないようにするためです。

税金の納付を個人に委ねると、給与を使ってしまい、税金を払わない人がたくさん出てきて大変なことになってしまいます。給与は全額支払いの原則があるので、勝手に天引きすることは許されないのですが、例外的に法律で天引きすることにしたわけです。

これについては、サラリーマンばかり天引きされて不平等だと批判があって、「サラリーマン税金訴訟」という裁判も起こされています。しかし、納税するのは国民の義務なのだから、給与から天引きされても不平等ではないとの裁判所の判断が下されています。したがって、不満に思う人もいるかもしれませんが、我慢するしかありません。

税金の計算方法

給与から控除される税金としては、「所得税」があります。所得税は、文字通り所得に応じて一定の割合の税金が課されるものです。その金額はどのようにして決まるかというと、年間の所得に対して税率を乗じて計算します。

しかし、年間の所得は年末以降にならないとわからないので、とりあえず概算で税額を計算しておいて、毎月給与から天引きします。そして、年末に金額が確定したら、多く取り過ぎた分については返還する(年末調整)というしくみが採られています。

では、毎月の概算税額がどのようにして決まるかというと、国税庁から「給与所得の源泉徴収税額表」というのが公表されていて、その月の給与から社会保険料を控除した金額毎に源泉徴収すべき税額が決められています。

例えば、社会保険料を控除した給与額が20万円の場合には、所得税は4,770円となります。

なお、給与が一定の場合には毎月の所得税も同じになりますが、残業代等で変化する場合や昇級した場合など給与額に変動が生じた場合には、その都度天引きされる所得税額も変わることになります。

社会保険料の種類と計算方法

社会保険には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険の5種類があります。ただ、労災保険は、従業員に支払義務はなく、介護保険も40歳以上が対象なので、今回は、健康保険、厚生年金保険、雇用保険について説明します。

1. 健康保険

健康保険は、言うまでもなく病院で診察を受けた場合に、医療費の負担が3割になるというものです。健康保険料の額は、標準報酬月額により決まります。標準報酬月額とは、4月、5月、6月の給与の平均額です。

例えば、4月が22万円、5月が24万円、6月23万円ならば、標準報酬月額は(22万円+24万円+23万円)÷3=23万円ということになります。なお、保険料率は、健康保険組合によって異なるため、同じ給料でも会社が違うと異なります。

2. 厚生年金保険

厚生年金保険は、65歳以降に年金がもらえるというものです。厚生年金保険の保険料率も健康保険と同様、標準報酬月額によって決まります。厚生年金保険料はどの会社も同じ保険料率です。

なお、所得税の計算における所得には通勤手当は含まれませんが、標準報酬月額には通勤手当も含まれるので、通勤手当の額が高い人は社会保険料の控除額も多くなります。

3. 雇用保険

雇用保険は、失業した場合などに、一定の期間生活に必要な給付を受けられるものです。保険料の計算は、一般の事業の場合、保険料率は1000分の5となるので、給与が23万円の場合、23万円×1000分の5=1,150円です。

まとめ

税金や社会保険料がどのように計算されるかイメージはもてたでしょうか? 将来昇進して給与が上がった場合には、当然のことながら税金や社会保険料も上がります。思ったより手取りは上がらないと感じるのは、そのためです。

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